2016年 12月 26日
酒のこと 我が家に眠る酒 2「富玲 純米濁酒」(料理・お弁当部門) |
忘れるともなく忘れていた酒。なぜしまっておこうと思ったのか今となっては不明だが、目下の問題はこの酒たちをいつ飲むのか、何を口実に飲むのか、ということだ。
我が家に眠る酒、第2弾は鳥取県の中部の梅津酒造で醸された清酒「純米濁酒」。製造年月は平成8年2月。ちょうど20年前の酒だ。
酒の味を知ったころから梅津酒造のにごり原酒が好きで、毎年冬場の出荷を楽しみにしていた。ある年「こんな酒を造ってみたのだが・・・」と回ってきたのが件の「純米濁酒」だった。当時、私の周りに純米のにごり酒というものはなく、珍しさだけで数本買い求めたのを覚えている。
飲んでみるとにごり酒なのにすっきりとして切れ味よく、良く言えば軽妙な旨口だが、率直な感想は地味で面白さに欠け物足りないというものだった。梅津酒造のにごり原酒愛飲家としては、もっとごつい硬派な酒を期待したのだ。きっとこの期待外れな気持ちが冷蔵庫の奥深くにしまわせたのだろう。決してSamichlausのように「取っておこう」と色気を出したものではなく、ただ忘れ去っていたのだ。
さて、20年の時を経た清酒がどんな酒に変わっているのか想像もつかない。イメ-ジとしては荒ぶる紹興酒のように思うが、ひょっとすると酒としての体裁すら留めてないのでは?と悲観的な思いが頭をもたげる。
沈殿したにごりが立たないよう静かに栓を開け、上澄みをそっと注ぐ。まずは香りを聞いてその芳しさに驚いた。そしてひと口。口中に広がる華やかな香りがやがて穏やかに鼻から抜ける。20年前には感じられなかった奥行のある味わいは、あくまでもまろやかでかつ気品に満ちている。こんなにも華々しく化けるものなのか!?
はたして冷蔵庫という環境が醸した賜物なのか、それとも「純米濁酒」がこのように化けるべく生まれた酒だったのか私には知るべくもないが、いずれにしろ偶然の産物には違いない。これもまた「純米濁酒」として1属1種の完成形と言いたい。
by thesakana
| 2016-12-26 15:24
| ■ 酒菜
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Comments(4)
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庄助
at 2016-12-26 20:03
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duoさんちの冷蔵庫はドラポケのようですね。(笑
どれだけ巨大なんでしょう?
20歳の誕生日、やはり1月15日がよろしいのでは、、、、。
富玲24純米先週の見ました、二十歳になるとどんな乙女になるんでしょうか!?
どれだけ巨大なんでしょう?
20歳の誕生日、やはり1月15日がよろしいのでは、、、、。
富玲24純米先週の見ました、二十歳になるとどんな乙女になるんでしょうか!?
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ゆぼぼ
at 2016-12-27 05:30
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20年古酒、すごいですね~@@
これ売ってたらどんだけ高い値がつくか!
うれしい忘れ物ですね^^
うちもやってみたいけど、
20年も飲まずに忘れておくことができない(笑)
これ売ってたらどんだけ高い値がつくか!
うれしい忘れ物ですね^^
うちもやってみたいけど、
20年も飲まずに忘れておくことができない(笑)
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thesakana at 2016-12-27 12:53
庄助さん、お越しいただきありがとうございます。
ドラポケ!!ずいぶんハイカラな言葉が出てきましたね(笑)
最初、何だろうかと思いました。
巨大ということもないんですが、冷蔵庫の肥やしが溜まっています。
ドラポケならどこでもドアで好きな場所に肥やしを捨てに行けるんですけど・・・。
ドラポケ!!ずいぶんハイカラな言葉が出てきましたね(笑)
最初、何だろうかと思いました。
巨大ということもないんですが、冷蔵庫の肥やしが溜まっています。
ドラポケならどこでもドアで好きな場所に肥やしを捨てに行けるんですけど・・・。
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thesakana at 2016-12-27 12:58
ゆぼぼさん、お越しいただきありがとうございます。
>20年も飲まずに忘れておくことができない
そうなんですよね、私もこれは狙ってできないと思います。
でもゆぼぼさんはまだお若いでしょうから、やるなら今です。
私がこれからやろうとしたら、途中で認知症になって何もかも忘れてしまいそうです^^。
>20年も飲まずに忘れておくことができない
そうなんですよね、私もこれは狙ってできないと思います。
でもゆぼぼさんはまだお若いでしょうから、やるなら今です。
私がこれからやろうとしたら、途中で認知症になって何もかも忘れてしまいそうです^^。